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2016.10.01 編集長コラム

デスダンスをもう一度

さあ、いよいよ、10月2日(日)に『キングオブコント2016』(TBS系)が放送されますね。言わずと知れたコント日本一を決めるお笑いコンテストです。コントを専門にする芸人さんにとっては年に一度の晴れ舞台です。

今年決勝に進んだのは、しずる、ラブレターズ、かもめんたる、かまいたち、ななまがり、ジャングルポケット、だーりんず、タイムマシーン3号、ジグザグジギー、ライスの10組。決勝経験者もいれば、初出場組もいる。そしてなんと優勝経験者もいる。昨年のファイナリストと比べても顔ぶれがごっそり入れ替わっていて、誰が優勝するか分からない大混戦が予想されますね。

 

さて、ここから話はガラッと変わりまして。個人的に、過去の『キングオブコント』では、何度も噛みしめたくなるような名場面というのがいくつかあるんですよね。そのうちのひとつが、2013年大会でジグザグジギーが披露した「デスダンス」のシーンなのです。

 

「デスダンス」とは何か?

このサイトを見ているような超絶お笑いマニアの皆さんには改めて説明する必要はないかもしれませんが、一応言っておきますと。

 

ジグザグジギーがこの大会で披露したコントの中で、2人が歌いながら一定のリズミカルな動きをする場面がありまして。本来ならばそこでドカンとウケるはずだったんですが、笑いは水ものなので、残念ながらその場ではがっつりスベってしまいまして。水を打ったような静けさに包まれた中で、2人が懸命に動いてネタをやりきるその様子が、芸人仲間の間でいつしか「デスダンス」の異名で呼ばれるようになったのです。

 

で、変な話ですが、個人的には、このデスダンスのワンシーンがめちゃくちゃ好きなんですよ。その大会が終わったときにも、このシーンだけ何度か見直したぐらいです。もちろん、あいにくウケを取れなかったジグザグジギーのお二人をバカにするつもりはまったくありませんし、だからといって逆にあのネタを素直にめちゃくちゃいいと思ってるわけでもなくて。ただ、あのときのあの空気が好きなんです。あの空気に笑っちゃうんです。あれをまた味わいたくて、何度も見返してしまうんです。

 

お笑いには結構そういうことがあると思います。単に、作り手の意図が見事にハマったら面白くて、ハズしたら面白くない、という二元論ではないのです。意図が見えすいているから納得はするけどあんまり笑えないということもあれば、ハズして空回りしてしまうその空気がめちゃくちゃ笑えるということもあるのです。そして、そこがまたお笑いというものの素敵なところじゃないのかな、と思ったりもしています。

 

あれ以来、3年ぶりの決勝進出となるジグザグジギーのお二人はもちろん、今度こそあのデスダンスの悲劇は避けたいと思っておられるかもしれません。でも、個人的には、あれは『キングオブコント』の歴史に残る名場面だったと記憶しています。「デスダンスをもう一度」と私はあえて言いたい。これはお二人だけに向けた言葉ではありません。

 

プロの芸人の皆さんが、お膳立てされた最高の舞台に向けて最高の自信作をぶつける。その空間の歪みから生まれる笑いのすべてを、私はこの身で味わい尽くしたいと思っているのです。とにかく楽しみですね。

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ラリー遠田
ラリー遠田

我らがオモプラッタ編集長、お笑い評論家「ラリー遠田」!

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