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2020.07.15 オモプラニュース

リアル「おくりびと」芸人のエッセイ漫画が配信開始! 納棺師の知られざる日常とは?

2008年に公開された映画『おくりびと』は、決して派手とは言えない作風でありながらも、叙情的で静謐な世界観によって観客を魅了し、第32回日本アカデミー賞の最優秀作品賞に輝いた。同作の中で描かれたことで、「納棺師」という職業の存在を初めて知った人間は少なくないはずだ。納棺師とは、遺体に対してメイクや衣服の着せ替え、傷の手当て等の処置を施し、生前のような綺麗な状態にする「葬儀上の専門職」である。『おくりびと』によって一時的に脚光を浴びたとはいえ、納棺師の認知度はまだまだ低く、実際の葬儀現場においても、依頼を躊躇する遺族がほとんどだそうだ。

人間の「死」に触れる職業である納棺師。私たちの多くは「一体どのような人たちが、おくりびとになるのだろう?」という疑問を抱いてしまう。その問いに思いがけない角度から答えてくれるのが、松竹芸能所属のお笑い芸人「おくりびと青木」だ。青木さんは松竹芸能所属のお笑い芸人としての活動と並行して、福島にある実家の葬儀会社で納棺師として勤務している、まさに「リアルおくりびと」である。

お笑い芸人と納棺師、笑いと死。振り幅の大きなふたつの仕事をしながら、青木さんはこれまでテレビ番組やTwitterで、あまり知られていない納棺師の仕事内容や、葬儀にまつわる人間模様、聞きたくても聞けない「今時の葬儀事情」など様々な実体験を披露してきた。そして、それらのエピソードが原案となり「エッセイ漫画」として配信されることになったという。どうして納棺師になろうと思ったのか。お笑い芸人との両立は可能なのか。エッセイ漫画を通じて何を伝えたいのか、何を知って欲しいのか。先行配信に合わせ、おくりびと青木さんにお話を伺った。

(写真:おくりびと青木の実家での実地訓練)

———どうしてエッセイ漫画を書こうと思ったのですか?

おくりびと青木(以下、青木):納棺師という仕事は『おくりびと』というタイトルで映画化されたものの、まだまだ知名度は低く、職名を出してもぽかんとされる人が多いのが現状です。少しでも知っていただきたくて、(SNS上で)文章だけで伝える活動を始めてみましたが、反応は今ひとつだったんです。もともと興味を持たれづらい仕事だということは分かっていたので、「少しでも目に留まりやすいように」と思って、自分のエッセイにイラストを加えていただいたのが始まりなんです。

———青木さんは福島県にあるご実家が葬儀関係だとお聞きしました。「家業を継がない」という選択肢もあるなかで、どうして葬儀の道に進まれたのでしょう?

青木:高校を卒業をしてから、親の提案で神奈川県にあるお葬式の専門学校に通っていたんです。このとき「お笑い芸人になりたい」という気持ちはすでにあったのですが、「どうやってなればいいのか」が分からなかったんです。あとになってから、「タレントスクールに通えば、勉強しながらでも事務所に所属することができる」と知ったのですが、当然、(タレントスクールに)通うのにもお金が掛かります。そこで、まずは貯金と知識を蓄えようと思って、芸人になる前に就職の道を選んだんです。

———納棺師になろうと思ったのはいつ頃ですか?

青木:専門学校の授業で、ご遺体のメイクと修復を習う機会があったんです。元々、美容やプラモデルのような細かい作業が好きだったことと、地元ではこの技術が発展していなかったこともあり、納棺師の道に進むことを決めたんです。(専門学校の)講師の先生に紹介してもらったのですが、卒業生の大半は葬儀会社に就職するので、納棺師の会社に就職するのはかなり珍しがられましたね……(笑)

———幼い頃からなりたかったというよりは、自分の適正に合わせて納棺師を選んだ、という感じでしょうか。

———では、もう一方の夢である「お笑い芸人」はいかがでしょう。いつ頃から「お笑い芸人になりたい」と思っていましたか?

青木:中学生のときに見ていた『笑う犬の冒険』『ワンナイR&R』『はねるのトびら』(CX系列)で芸人さんたちの身体を張ったコントやトーク、普通に聞いたら引いてしまうような内容も笑いに変える発想力に格好良さを感じていました。あと、お笑い芸人はコミュニケーション能力が高くて明るいイメージなので、自分も芸人になって「昔からの内気な性格を変えたい!」という気持ちも、その頃からありました。

(写真:専門学校在学時の実習風景)

青木:以前、とあるきっかけでNONSTYLEさんのCMのお手伝いをさせて頂くことになったんです。おふたりともとても優しく、カメラが回ってないオフの状態でもエキストラを楽しませるためにネタやトークを披露されていたんです。直接の接点がない自分に対しても挨拶をしてくださって、まさに「理想の芸人像」だったんです。そのときに、「いつか芸人になりたい」から「今すぐなってやる」に変わりました。

———最初から「お笑い芸人」と「納棺師」を両立するつもりだったのですか?

青木:はい、そうです。専門学校を出てから3年間、東京にある納棺師の会社に勤めて知識と技術を得たので、次に活かすとしたら「実家の会社でやろう」と決めていたんです。親からも「芸人の活動を許す代わりに、時間があれば会社の手伝いをするように」という条件を出されていました。

———青木さんのような方が他にいないので想像が付かないのですが、両立は大変ではないですか?

青木:お笑いという好きな活動をさせてもらっているので大変だと思ったことはありませんが、「福島で告別式をしてから東京でオーディションを受け、そのまま福島に帰って通夜」というようなスケジュールなので、東京と福島の移動で疲れることはありますね。「お葬式、お笑い、お葬式」という感じなので、お笑いで暗く小声になったり、お葬式で明るく声が上がってしまったりと、テンションの切り替えがよく分からなくなる時があります……(笑)

———青木さんがお笑い芸人をやっていることについて、葬儀業界の方たちはどのように思っているのでしょう?

青木:同じ納棺師の人からは応援していただけています。やはり知名度が低い職業なので、「メディアを通してもっと紹介してもらえたら嬉しい」という声が多いです。しかし、業界や一般の人からは「お葬式の人間がふざけていいのか?」「人の悲しみをネタにしているではないか?」という注意を頂戴することもあります。

———逆に、お笑い芸人から何か言われることはありますでしょうか?

青木:自分のキャラクター的にも、納棺師という仕事的にもいじりづらいようで、よく気を遣われます。あるバラエティー番組に出演をさせていただいた際に、仕事柄、死やご遺体の話をすると、「MCの方がコメントに困ってしまっていた」ということがありました。番組によっては、お笑い芸人というより「おくりびとの仕事をしている青木」という、立ち位置的には専門業者として呼ばれているんだろうな、と思うこともありますね。いずれは、「納棺師の仕事もしているお笑い芸人・おくりびと青木」という存在を確立させたいです。この仕事とキャラクターを活かして、トーク番組を中心に、常に雛壇に座っているような存在になりたいと思っています。

———納棺師の仕事をしていて「一番辛い時」というのはどんな時ですか?

青木:葬儀という仕事は地域密着型ですので、知り合いのご遺体・ご遺族様を担当することが多いんです。普段何気なしに話していた方の悲しむ顔を見るのは、やはり本当に辛いものがあります。他にも、病院や老人ホームで亡くなった場合、看護師さんやスタッフさんでは(外見上の傷を)治すことができないご遺体はそのままの状態になっていることが多いので、それを見たご遺族様がさらに悲しまれます。しかし、納棺師の技術や道具があれば治すことが可能なので、少しでも喜んでいただけたり、精神的にもサポートができるのではないかと思っています。その一助になれたときに、納棺師としてやりがいを感じます。

———今回原案を担当されたエッセイ漫画ですが、どのような方々に読んで欲しいですか?

青木:まだお葬式という経験自体が少ない若い方を中心に、少しでもお葬式の仕事や納棺師の仕事を知っていただきたいです。経験上、実際の現場でも「納棺師」は何をする人なのか分からず、ご遺族様が不安になることもあるので、急なお葬式にも対応できるように、この漫画を通じて、「納棺師の仕事」「ご遺体の扱い方」「お葬式の雑学」を伝えられたらと思っています。いずれは絶対に必要になる知識ですし、当事者として深刻に直面する前に、漫画として気楽に触れていただければ幸いです。

 

【新刊情報】

タイトル:『おくりびと芸人』

発売日:2020年7月10日(金) ※独占先行配信

著者:おくりびと青木/赤坂まあな

価格:165 円 (150 円+税)

出版社:NINO

作品詳細 URL:https://booklive.jp/product/index/title_id/10002940/vol_no/001

7月10日(金)より順次、総合電子書籍ストア「BookLive!」と、姉妹書店である「BookLive!コミック」の2書店にて独占先行配信を開始いたします。初回は第3話までを一挙に配信開始。第1話は、8月13日(木)まで無料で公開します。

(※記事サムネイルの写真は、おくりびと青木の実家での実地訓練のものです)

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